呪術廻戦 -猿的観点からの解析・考察-

非術師が漫画「呪術廻戦」について解析・考察をするブログです。

第2廻 乙骨憂太登場からの展開考察

 

 

※この記事は単行本14巻以降の話も含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 幾度も怒涛の展開を繰り広げた呪術廻戦の山場の一つ目『渋谷事変』も物語に大きな爪痕を残し遂に終わりを迎えました。

そして新章開幕早々に姿を現したのは、ファンから登場を熱望されていた乙骨憂太。

本編の前日譚となる『東京都立呪術高等専門学校(以降表記『0巻』)』で主人公を務めていた彼がこれからどのように物語に絡んでくるのか考察します。

 

 

◎目次

 

 

1.彼の目的は?

 再び彼が姿を現したのは呪霊の巣窟となり荒れ果てた東京都内。

街中で子供に襲い掛かる呪霊を頭上から刀で串刺しにしながら姿を現すという正義のヒーローのような登場の仕方を披露しました。

子供は彼自ら保護したと思われ、その後呪術界の元老院のような場所で重鎮(と思われる)方と話をしています。この場所は内装的にも0巻で五条が乙骨の件で釈明に訪れた場所と同じだと思われます。

ここでの会話の内容的に、重鎮たちの命令で都内の呪霊狩りに駆り出されていたようです。

その目標対象が子供を襲った呪霊かどうかもわかりませんし、もしかしたら他に要人救護をしていたかもしれませんが。

任務を得て発された重鎮の表面的な労いの言葉に「労う気なんてないくせに」と悪びれることなく口に出しちゃうあたり、このお偉いさん方のことを心底嫌っていることが伺えます。

そもそも昔に自分を死刑にしようとしていた連中ですからね、取り繕う気も起らないでしょう。

それにしても、苛立っていたにしても昔の乙骨の性格から考えてかなり強気な態度です。学年も上がり性格にも変化が出たのでしょうか…?

とりあえず先の呪霊狩りは重鎮側の命令を聞くということを証明するためのものだったようです。

そして彼の新たな任務は『虎杖悠仁の死刑執行役』。

乙骨の性格的には断固拒否しそうな命令ですが意外、言われるまでもなく本人はやる気の様子。疑うなら縛りを付ければいいとわざわざ自ら口にしています。

前主人公の本編最初の目的は現主人公を殺すことでした。

 

2.現在の実力は?

 0巻では特級過呪怨霊『折本里香』に憑かれており驚異的な戦闘能力を発揮した乙骨。

1年時に参加した京都校との交流会では京都校の実力者・東堂も参加していたようですが、そんな中でも圧勝だったとのこと。

しかしその里香もいなくなってしまった現在の戦闘能力はどうなのか?

里香がいなくなった乙骨に対して、偽夏油は「魅力を感じない」と全く興味がなさそうです。

しかし五条は未だ乙骨を評価しており、彼の特級呪術師の肩書も取り上げられていない様子。

そもそも宿儺の器という最特級危険因子の虎杖抹殺を任されるのだから、少なくとも呪術界でも実力は評価されているのでしょう。重鎮からは未だ疎まれていてなくなっても困らない駒程度に考えられているかもしれませんが…。

 

3.戦闘スタイルは?

 武器は昔と同じく刀を使用しています。

流石に刀術は以前より向上しているでしょう。

気になるのは『リカちゃん』という存在。

姿は見せていないが、乙骨が討ち漏らした推定2級以上の呪霊を一瞬で跡形もなく払っています。

また乙骨の指示もなしに彼に襲い掛かる呪霊を撃退しており、その形跡を見て「やりすぎは駄目だ」と窘めていることから、行動をプログラミングされたモノではなく里香のように自我を持ち行動するモノと思われます。

表記が『里香』ではなく『リカ』であることから、0巻の里香とは別物であると考えられます。

 

 リカは里香のような呪いの産物か、あるいは式神か?

乙骨の術式は未だ不明だが、里香の怨霊化は術式に関わるものの可能性は十分にあり得ます。

そう考えると、リカも乙骨の術式から生み出された怨霊的なものである可能性が高いです。

ただ乙骨は自らの呪いにより里香の魂を縛っていたことを酷く後悔していたので同じ轍を踏むようなことはしないと思いますが…。

人間の魂ではなく呪霊から作り出しているとか…?呪霊絡みだと夏油と被るしそれはないでしょうけど。

しかし乙骨が昔見せた技に『術式模倣』があります。

リカは里香のコピーという可能性もあり得ます。それも昔の乙骨の倫理的にはなさそうですが。

とりあえず乙骨の戦闘スタイルとしては、0巻時点のように自身の『刀術』と『リカ』による共闘・挟撃がメインと推測できます。

 

4.乙骨の真意は?

 虎杖に対する殺意を露にする乙骨。

理由としては、渋谷にて宿儺の所業により友人である狗巻が片腕を失ったからであるとのこと。

元々高専の仲間に危害が加えられるとブチ切れ、言動も荒くなっていました。

なので、元凶は宿儺とはいえ、宿主の虎杖に怒りの矛先が向くのはわからなくもありません。

しかし虎杖の境遇は0巻当時の乙骨と似ています。

上に危険視され死刑を求められ、自分という存在のせいで仲間が傷つくこととなった。

乙骨ならばかつての自分の境遇と重ね同情すると思われます。

術師を続けてきて乙骨の心境に変化が出て人間性がブレた可能性もあります。

しかし子供を守った時の乙骨の様子を見るに、彼の根本的な人間としての優しさは変わっていないと思われます。

あの伏黒も「唯一手放しで尊敬できる人」と評価しています。そこから推定半年足らずで人間性がそう変わるとも思えません。

真の目的があり重鎮方を信用させるためにそれらしく振舞ったのである、そう願いたいところです…。

 

5.乙骨と虎杖の行く先

 少なくとも乙骨と虎杖が出会う展開は確実にありそうです。

その時、本当に乙骨は虎杖を始末しようとするのか?

新旧主人公の対決は見たい気もしますが、昔ながらの乙骨好きにとっては怒り任せに虎杖を殺しにかかる展開は微妙なところ…。

もし狗巻と面会をしているなら虎杖について何か話をしているはずです。となると狗巻から虎杖を任せられていると思われます。

乙骨の真意は虎杖の保護や彼への協力だと願いたいところです。

もし海外にいた理由が宿儺絡みならその関係で…乙骨が海外にいた時期的にそれはなさそうですかね。

第1廻 虎杖悠仁と両面宿儺の関係について

 

 少年漫画において、主人公が本来は人間の敵となる存在と手を組んだり、身に宿し力を使うといった設定はよく見られます。

うしおととら」や「NARUTO」等、大抵最初は馬が合わずいがみ合ったりするも上手く和解や協調をして力を合わせて敵と戦っていくことになります。

当ブログのテーマとして取り扱う漫画「呪術廻戦」の主人公「虎杖悠仁」もまた「両面宿儺」という人間の脅威となる存在-呪い-を内に宿すこととなります。

果たして、両者は良好な関係を築くことが出来るのでしょうか?

 

 

※この記事は単行本14巻以降の話も含みます。

 

 

 ◎目次

 

 

1.宿儺に対する虎杖の印象

 虎杖の宿儺に対する印象はどうなのか?

虎杖は呪いの王である宿儺を取り込みながらも難なく自我を保てています。

虎杖の体の一部に目や口を出現させることを除けば、基本宿儺は虎杖の体に干渉出来ません。

ですがエピソード「受胎戴天」ではピンチの際に虎杖の意思で無理に宿儺と変わりました。

その際には宿儺から体の主導権を戻すのに手こずり、仲間である伏黒を危険に晒しました。

この件により虎杖は宿儺を改めて危険な存在とみなし、二度と体を明け渡さないことを誓います。

それでもエピソード「幼魚と逆罰」では友人となった順平を助けるために再び宿儺に体を渡そうとします。

しかし宿儺はそれを拒み、自分に縋る虎杖を大きな声で嘲笑いました。

ここで虎杖は、宿儺は自分と絶対に相容れない存在だと確信しました。

まとめると、虎杖の宿儺に対する印象は最悪です。

そもそも(自分から取り込んだにせよ)宿儺が中にいるせいで虎杖の未来には死刑が待っているのですから良い印象なんかあるわけがないですね。

それでも少なくともあの時、宿儺が虎杖の望み通り順平を救う素振りでも見せていればもうちょっとマシな感情を抱けていたでしょうけど。

 

2.虎杖に対する宿儺の印象

 では宿儺の虎杖に対する印象はどうなのか?

本来、指を取り込まれ受肉した時点で虎杖の肉体の主導権は宿儺にあるはずでした。

しかし何故か宿儺は虎杖の体を乗っ取ることが出来ません。

このイレギュラーな存在に対しては流石に忌々しく思っているようです。

ただそんな特殊な虎杖という存在に対しても特に興味を持っていないようです。

渋谷での脹相戦でも虎杖が致命傷を受け殺されかけても気にかけることはなく、ただ呆れて内から傍観するのみでした。

虎杖が死ねば取り込まれた指-魂-を失うことになるデメリットはあるはずですが、虎杖の生死にも興味はなさそうです。(一応契約による「保険」はかけてありますが)

ただ前述の順平の件や、エピソード「渋谷事変」で宿儺が暴れた後の渋谷の傷跡をわざわざ見せつける等虎杖を精神的に痛めつけることは喜々として行ったりはします。

ですがこれも宿儺の元々の加虐嗜好であり、これまでの言動からしても特別な嫌がらせというわけではないように思えます。

ただ限られた範囲で最も身近な虎杖に嫌がらせをしているだけだと思われます。

つまりは、宿儺にとって虎杖も他の人間と特に違いはないのだと思います。

それでもやはり自分の動きを縛っている存在ではあるので、他と比べて多少は疎ましい存在には違いないでしょうけども。

 

3.両者のこれからの関係は?

 虎杖と宿儺、現状犬猿の仲とも言える関係ですがこれからお互いに力を合わせたり、良好な関係を築くことになるのでしょうか…?

おそらくその可能性は0でしょう。

両者の関係はそれ程までに拗れています。

何なら虎杖は現状、宿儺のしでかしたことにより自ら命を絶ちそうな雰囲気ですし。

「虎杖が宿儺の術式を使う」という展開は十分にあり得ますが、それでも虎杖から宿儺に請うような展開もないでしょう。

宿儺も性格的に何があっても虎杖に下手から頼むこともないでしょうし。

虎杖と宿儺…両者の関係についてはこれからも改善されることはないでしょう。

 

 

4.まとめ

 人情味の強い主人公と非常な呪いのコンビ。お互い全く噛み合うことのない性格であり、後々心を通わせ合い力を合わせる!そういった王道な展開になることを感じさせない現状。

ただこの路線により主人公である虎杖は自ら戦う術を身に着けていかなければならないという立場にあります。(宿儺の指を取り込めばその分強くなるようですが)

忌むべき存在を内に宿しながら力をつけていく虎杖…。

いずれは虎杖と宿儺が現世で戦う展開もあるのでしょうか…?

その辺りの展開の考察については取り扱う予定です。