呪術廻戦 -猿的観点からの解析・考察-

非術師が漫画「呪術廻戦」について解析・考察をするブログです。

第1廻 虎杖悠仁と両面宿儺の関係について

 

 少年漫画において、主人公が本来は人間の敵となる存在と手を組んだり、身に宿し力を使うといった設定はよく見られます。

うしおととら」や「NARUTO」等、大抵最初は馬が合わずいがみ合ったりするも上手く和解や協調をして力を合わせて敵と戦っていくことになります。

当ブログのテーマとして取り扱う漫画「呪術廻戦」の主人公「虎杖悠仁」もまた「両面宿儺」という人間の脅威となる存在-呪い-を内に宿すこととなります。

果たして、両者は良好な関係を築くことが出来るのでしょうか?

 

 

※この記事は単行本14巻以降の話も含みます。

 

 

 ◎目次

 

 

1.宿儺に対する虎杖の印象

 虎杖の宿儺に対する印象はどうなのか?

虎杖は呪いの王である宿儺を取り込みながらも難なく自我を保てています。

虎杖の体の一部に目や口を出現させることを除けば、基本宿儺は虎杖の体に干渉出来ません。

ですがエピソード「受胎戴天」ではピンチの際に虎杖の意思で無理に宿儺と変わりました。

その際には宿儺から体の主導権を戻すのに手こずり、仲間である伏黒を危険に晒しました。

この件により虎杖は宿儺を改めて危険な存在とみなし、二度と体を明け渡さないことを誓います。

それでもエピソード「幼魚と逆罰」では友人となった順平を助けるために再び宿儺に体を渡そうとします。

しかし宿儺はそれを拒み、自分に縋る虎杖を大きな声で嘲笑いました。

ここで虎杖は、宿儺は自分と絶対に相容れない存在だと確信しました。

まとめると、虎杖の宿儺に対する印象は最悪です。

そもそも(自分から取り込んだにせよ)宿儺が中にいるせいで虎杖の未来には死刑が待っているのですから良い印象なんかあるわけがないですね。

それでも少なくともあの時、宿儺が虎杖の望み通り順平を救う素振りでも見せていればもうちょっとマシな感情を抱けていたでしょうけど。

 

2.虎杖に対する宿儺の印象

 では宿儺の虎杖に対する印象はどうなのか?

本来、指を取り込まれ受肉した時点で虎杖の肉体の主導権は宿儺にあるはずでした。

しかし何故か宿儺は虎杖の体を乗っ取ることが出来ません。

このイレギュラーな存在に対しては流石に忌々しく思っているようです。

ただそんな特殊な虎杖という存在に対しても特に興味を持っていないようです。

渋谷での脹相戦でも虎杖が致命傷を受け殺されかけても気にかけることはなく、ただ呆れて内から傍観するのみでした。

虎杖が死ねば取り込まれた指-魂-を失うことになるデメリットはあるはずですが、虎杖の生死にも興味はなさそうです。(一応契約による「保険」はかけてありますが)

ただ前述の順平の件や、エピソード「渋谷事変」で宿儺が暴れた後の渋谷の傷跡をわざわざ見せつける等虎杖を精神的に痛めつけることは喜々として行ったりはします。

ですがこれも宿儺の元々の加虐嗜好であり、これまでの言動からしても特別な嫌がらせというわけではないように思えます。

ただ限られた範囲で最も身近な虎杖に嫌がらせをしているだけだと思われます。

つまりは、宿儺にとって虎杖も他の人間と特に違いはないのだと思います。

それでもやはり自分の動きを縛っている存在ではあるので、他と比べて多少は疎ましい存在には違いないでしょうけども。

 

3.両者のこれからの関係は?

 虎杖と宿儺、現状犬猿の仲とも言える関係ですがこれからお互いに力を合わせたり、良好な関係を築くことになるのでしょうか…?

おそらくその可能性は0でしょう。

両者の関係はそれ程までに拗れています。

何なら虎杖は現状、宿儺のしでかしたことにより自ら命を絶ちそうな雰囲気ですし。

「虎杖が宿儺の術式を使う」という展開は十分にあり得ますが、それでも虎杖から宿儺に請うような展開もないでしょう。

宿儺も性格的に何があっても虎杖に下手から頼むこともないでしょうし。

虎杖と宿儺…両者の関係についてはこれからも改善されることはないでしょう。

 

 

4.まとめ

 人情味の強い主人公と非常な呪いのコンビ。お互い全く噛み合うことのない性格であり、後々心を通わせ合い力を合わせる!そういった王道な展開になることを感じさせない現状。

ただこの路線により主人公である虎杖は自ら戦う術を身に着けていかなければならないという立場にあります。(宿儺の指を取り込めばその分強くなるようですが)

忌むべき存在を内に宿しながら力をつけていく虎杖…。

いずれは虎杖と宿儺が現世で戦う展開もあるのでしょうか…?

その辺りの展開の考察については取り扱う予定です。